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一般社団法人徳島県マンション管理士会
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震災とマンションⅠ・Ⅱ(宮城県マンション管理士会発行)要約
~震災に負けないマンション管理を創造するために~
2011年3月11日に発生した東日本大震災による分譲マンションの被災実態に直面した宮城県マンション管理士会が、2011年11月と2013年1月に発行したレポート冊子の内容を、以下に要約します。 (*各種数値は冊子発行当時に基づいています)
仙台市の罹災証明の被害認定は、主要構造部に対する評価が半分程度を占め、その他住居として生活する上で影響ある部位に対する評価が4割以上になっている。その罹災証明で全壊と認定されたマンションは100棟を超える。倒壊したマンションはほとんど無かったが、各住居の生活に関わる非耐力壁や各種設備の被害は、仙台圏約1400棟の内の相当数に上る。
共用部分等の被害:
非耐力壁のせん断・ひび割れ、エレベーターシャフト壁・塔屋の壁破損、屋外鉄骨階段と建物躯体との繋ぎボルト切断、エレベーターが停止し安全確認の順番待ち数日間使用不能、受水槽・高架水槽の天板・側板のFRPパネル破損、接続配管の破損、電極棒やフロート等の破損、電気温水器が転倒して使用不能、埋設排水管・桝の破損、勾配不良による使用不能、等々。
震災発生時に被災地域に居住していた人・世帯に対し、人的被害と住家被害を対象に配分する。 【住家被害は、全壊・大規模半壊・半壊が対象となる】
支援金:被災者生活再建支援法に基づき、著しい被害を受けた被災者に対して支給される。
震災発生時に被災地域に居住していた人・世帯が対象となる。
基礎支援金は住宅の被害程度に応じて支給される。
加算支援金は住宅の再建方法に応じて支給される。
住宅の応急修理制度:全壊・大規模半壊・半壊を対象とし、要した応急補修費(最大52万円)が修理業者に支払われる。
問題点:震災発生時に居住していたことが要件なので、賃貸する等で居住していない区分所有者は対象から外れる。管理組合がマンションの補修をする場合、そのことで管理組合員の内で溝が出来る。好例では、補修費用を直接には負担しない立場の賃借人が支援金分を拠出した。 支援金の申請から受領まで約2か月という期間が負担となる。 又、いろいろな公的支援制度は戸建て住宅を想定したもので、マンションには当初十分に機能しておらず、マンションにも使える状況に持ち込むのに長い期間を要した。
実 態:当初、資産価値下落への警戒心から全壊等の重い判定を避けようとしたが、手厚い支援を得るためより重い判定を求めて再調査を依頼する件数がかなり多くあった。
認 定:被災認定要素は、主要構造部の被害程度(地震保険はこれのみ)に加え、外壁や外部仕上げ、内部仕上げ、設備、建具の損傷程度までを包含する。
実 態:地震保険の加入率は86%であり、その内保険金支払率は80%を超える。政府が再保険する形で支払いの確実性を担保している。
効 用:全損・半損・一部損と分かれるが、半損認定(地震保険金の50%支払)されれば、復旧工事に対する資金面での合意形成が、ほとんどの管理組合で早く進むという効果があった。
問題点:一部損認定(地震保険金の5%支払)されれば、保険金額があまりに少なく合意形成が進みにくくなる。現在の3段階よりもっと細かな認定基準構成が必要である。又、損傷認定は主要構造部だけでカウントされるが、マンションの実情に即して生活に直結する共用部分(エレベーター、受水槽等)を含めた罹災証明の認定要素に準じた被害認定がなされねばならない。さらに、査定プロセスが閉鎖的で不透明であるという問題も改善されねばならない。
*上記問題点について、制度改正に向け国や保険業界で検討が始まっている。
問題点:復旧費用が巨額となる。公的支援である応急修理制度の使い勝手が悪い。人手不足や資材高騰、業者不足による順番待ち (業者は公の発注工事を優先する) を強いられる。マンションの階によって被害の大きさが違う等、様々な理由で合意形成に困難が伴う。
設計施工:建物の瑕疵や手抜き工事が疑われる事例が、震災を機に数多く判明した。防災の観点からは好ましくない設計や、施工におけるコンクリートの強度不足、鉄筋のかぶり厚不足、廃材の混入、地震の揺れを吸収する緩衝材の「構造スリット」が設置されていない、スリットを施工すべき部分に木片を使っていた等々である。マンション管理組合がディベロッパーやゼネコンなどを相手取って損害賠償を求める訴訟が 3件明らかになっており、訴訟を前提に交渉中のケースもあり、今後こうした動きが相次ぎそうである。品確法などで瑕疵担保責任が生じる10年、民法の損害賠償請求権が消滅する20年よりもまだ前に建てられたマンションであれば、欠陥が分かっても被害救済が困難になる。マンションは一生に一度の大きな買い物であり、「地震に強い」という印象もあり、「安全な住まい」と信じて購入したマンションが欠陥建築だったとすれば、誰もが許せないと思うに違いない。今回の震災の教訓を生かし、災害に負けない、防災に充分配慮したマンション分譲の企画、設計、施工が求められている。
調査結果:国交省の調査では、甚大な被害を受けた鉄筋コンクリート造の建築物には1978年の 宮城県沖地震以前に建設されたものが多く、以前は田んぼであったという地盤条件も被害の程度に影響すると推測された。又、液状化現象など地盤性状に起因する地震被害もあった。液状化による建物本体の被害は軽微であっても、敷地内の上下水道やガス管、駐車場施設等は大きな被害を受けた。
実 情:東日本大震災では、罹災証明で全壊のマンションが100棟以上あり、修繕などで再び住めるようになったマンションが多い中、5棟が再建・建替えではなく解体(区分所有関係の解消)を選択した。公費による解体という制度もあるが、解体については区分所有法に規定がなく、全員合意という民法の規定に拠ることになる。全員合意は達成が極めて困難であり、災害時の特例的要件緩和へ向け制度改正を法制審議会に諮問した。
災害時:特に広域、大規模災害では「公助」は期待し得ない。自助、共助が基本となる。発災時の声掛け、避難、安否確認、救助や救護、助け合いには隣近所の協力が欠かせない。 非常時の3日間から1週間程度は管理組合や隣近所の助け合いで凌ぐしかない。 マンションの場合、何につけ管理組合の合意形成が迅速に行われる必要がある。非常時の後に来る補修や復旧の合意形成へと連続していく。一連の合意形成を迅速・円滑にするのは、日頃のコミュニティのあり方がカギとなる。マンションは居住者の匿名性も価値のひとつであるので、それを認めながら良きコミュニティを形成する事が求められる。
関係機関:マンション管理センターは一切動かない。それどころか、マンション全般の被害を過少に評価する発表さえした。東京カンティも同様だった。被害の正確な実態が分からなければ、復旧・復興の迅速な支援も出来ず、今後の防災の教訓化も出来ない。
準避難所:マンションの集会室を「準避難所」にして、水や食料・救援物資等の公的支援を受け取る場所にすべきである。これにより一般避難所の混雑が緩和される。
水の使用:受水槽の水抜栓を外して蛇口栓を取り付け、水を利用する方法もある。
防災計画:地域防災計画の見直しをしておくべきである。入居者名簿の作成も重要である。
設備耐震化:阪神淡路大震災以来の要請である設備耐震化の実施が望まれる。耐震玄関ドア、耐震用配管、耐震電気温水器、耐震給水設備等々。
修 繕:マンションの壁等 (共用部分) の損壊を修繕する際には、内装 (専有部分) の修復や原状回復を伴うので、内装の損傷程度による費用の負担割合など注意が必要である。
復 旧:大震災により、壁や共用廊下天井の崩落など、滅失と考えられる損壊が数多く発生した。それら損壊の対応においては、区分所有法第61条の復旧に関する手続きや要件をしっかりと念頭に置いて行い、後の紛争を未然に防止する事が肝要である。大規模一部滅失の場合、復旧には特別決議が必要であり、賛否の記録を要し、買い取り請求権の問題も発生する。全部滅失の場合には区分所有関係は終了し、敷地共有者の問題となる。損傷の補修であっても、共用部分の形状又は効用の著しい変更を伴う場合には、17条により特別決議が必要となる。
宮城県マンション管理士会は平成23年3月31日に震災対応相談専用電話を開設し、被災相談を受け付けた。各テレビ局のテロップやラジオ放送での呼びかけもあって、相談は合計457件に上った。
| 件 数 | 相談テーマ | 相談内容 |
| 83件 | 今後の予定 | 今後、どうしたらよいか |
| 46件 | 罹災証明 | 申請方法や不服 |
| 40件 | 支援制度 | 応急修理制度、加算支援金 |
| 36件 | 建物診断 | 建物の安全性 |
| 32件 | 地震保険 | 申請方法や判定不服 |
| 26件 | 管理会社の対応 | 管理会社が何もしてくれない |
| 24件 | 管理組合の運営 | 管理組合が機能していない |
| 15件 | 電気温水器 | 倒壊 |
| 20件 | その他 | 上階の水漏れ責任など |
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